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文明開化と共に、江戸時代には秘伝として門外不出とされていた武術である「柔術」は、嘉納治五郎らの手によって心身の成長を促す武道「柔道」として日本を始めとする世界に広まっていきました。「柔道は柔術に比べて、スポーツとしての進展を遂げたことで牙を抜かれてしまった」と言われていますが、人を活かす「活人」の技を磨くことで「生き延びるためには何でもあり」の柔術とは一線を画すものになったのです。柔道に伝えられた技の数々を解説していきます!
柔道の技の大別
公式に認められた柔道の技は、柔道がオリンピック競技として採用された1964年の東京オリンピックから現在に至るまで二度変化しています。それは日本人の取り組んできた武道が世界的に取り組まれるようになった証でもあるのです。現在、講道館柔道が認定している柔道の技は投げ技が67種、固め技が29種の計96種類となっています。
柔道の投げ技
柔道における投げ技67種は更に細分化され、手技15種・腰技11種・足技21種・真捨身技5種・横捨身技15種に分類されます。
柔道の投げ技・手技
手技は体捌きや打ち込みで相手の重心を崩し、自分の重心を移動させて相手を投げる技です。手技に分類される技には学校の授業でも習う背負い投げや体落とし、一本背負い投げなどが含まれています。特筆すべきは、やはり不世出の天才児・西郷四郎の編み出した「山嵐」と名人・三船久蔵の編み出した「隅落」でしょう。山嵐は幻の技といわれ「西郷の前に山嵐無く、西郷の後に山嵐無し」と言われています。隅落は、すばやい体捌きで重心を移動させることで、合気道の投げ技のように相手を転がすように投げる技です。160cmにも満たない小兵の三船が編み出したこの隅落はまさに「柔よく剛を制す」を体現した技であるといえます。
柔道の投げ技・腰技
腰技は腰を相手の体との接点とし、立っている人間の重心点である腹部を中心にして動かすことで重心を崩して投げる、柔道の理に適う投げ技の一つです。試合では手技や足技ほど目立たない腰技ですが、連携や足技を外した時のフォローにも使える技です。腰技に分類されている投げ技には、浮腰、払腰、袖釣込腰などがあります。
柔道の投げ技・足技
足技は、人間が立つための足を払うことで重心を崩して投げる技です。どんな巨漢でも足を滑らせれば転びます。柔道とは「人を投げる」為の理合を突き詰めた武道なのです。足技に分類されている投げ技は、シャーロック・ホームズやアルセーヌ・ルパンも使ったとされ、後に小川直也によってSTO(スペース・トルネード・オガワ)へと進化した大外刈や出足払、小内刈や送足払などがあります。また、足技には足技に対する返し技も存在し、他の投げ技よりも成功率が高い分リスクも高い技であることがわかります。
柔道の投げ技・真捨身技
真捨身技は、失敗すれば相手に固技に持ち込まれる不利な体勢に移行する大きな体捌きを行うことで相手の重心を崩して投げる技です。有名な投げ技の一つである巴投げはこの真捨身技に属しています。
柔道の投げ技・横捨身技
横捨身技は、真捨身技と同じく自分の体勢を崩す勢いを利用して相手の重心を崩して投げる技です。ロシアの格闘技であるサンボにはこの横捨身技を取り込んだ独自の投げ技や関節技があります。横捨身技に属するのはジャイアント馬場の得意とした河津掛けやサンボにも存在する蟹挟みなどがありますが、河津掛け・蟹挟みともに禁じ手とされています。
柔道の固技
固技はいわゆる「寝技」のことで、両者とも組み合った状態でのみ認められます。固め技は一度でも体が離れた場合仕切りなおしになり、投げ技が充分に決まらなかった場合にのみ許されるので、柔道における攻防で大きなウェイトを占めている技といえます。固め技は抑込技7種・絞技12種・関節技10種に分類されています。
柔道の固技・抑込技
抑込技は固技の基本中の基本というべき技で、自分の体を重しにして相手の動きを封じていく技です。上四方固めや袈裟固めといった技が抑込技に分類されます。しかし、基本的な技であるため返し方は研究し尽くされているので、抑込技で一本を取ることが出来る僭主は相当な実力者であると見ていいでしょう。
柔道の固技・絞技
絞技は、相手の気管を締め上げる少々危険な技です。その為、絞技と関節技には「参った」が許されています。中学生以下の場合は絞技と関節技に限り完全な形で極まっていると審判が判断した場合「見込み一本」として極めた選手に一本を認めるルールになっています。絞技には送襟絞めや裸絞め、三角絞めなどが分類されています。
柔道の固技・関節技
プロレスでは「極めたら即折れ」と言われる関節技ですが、柔道でもプロレス・総合格闘技でも極まればその時点で勝ちが決まる技です。柔道での関節技は基本的に腕を極める関節技だけになっています。中でも有名なのは腕挫ぎ十字固めで、前述のサンボでも取り入れられており、『蟹挟みで相手の胴に飛び付いて引き倒し、腕挫ぎ十字固めに連携する』技がサンボの代名詞的な技となっています。
柔道の技とサンボの技の関係
ロシアの格闘技であるサンボは、柔道着の上着とレスリングパンツを身に付けアマチュアレスリングのリングを使用して行われる格闘技です。このサンボには、前述のように蟹挟みや、腕挫ぎ十字固めや肩車と言った柔術・柔道の技が存在しています。これは、19世紀末にロシアに滞在していた広瀬武夫という旧日本帝国海軍の軍人が、ロシアの軍人に柔道をレクチャーしたことに由来しているといわれています。その為、サンボは通常の徒手空拳による打撃技だけではなく投げ技・関節技・固め技を持つ総合格闘技となったと言われています。
柔道の技を覚えるには?
このサイトを見ている人の中には「柔道の技だけを覚えたい、精神修練なんて真っ平御免だ」と考えている人もいるのかもしれません。しかし、柔道とは武道であると同時に武術なのです。柔道の技は人を傷付けるためにあるのではありません。心を磨かねば技はまがい物にしかならず、他人のみならず自分をも傷付けることになるのです。柔道を学ぶのであれば、きちんとした指導者のいる道場に通い心技体を鍛える必要があるのです。
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